コンテンツへスキップ
総患者数:5,500万人(推定)
  • 🌱05:認知症介護で本当に大切なこと

    認知症ケア 介護 理解
    1
    1
    0 投票
    1 投稿
    14 閲覧数
    A
    認知症を知るシリーズ 認知症を知る ― はじめに|介護の前に 第1回:認知症は「物忘れ」の病気だと思っていませんか? 第2回:認知症にも「性格」があります 第3回:認知症は、がんのようには進行しません 第4回:MRIでは分からないことがあります 第5回:認知症介護で本当に大切なこと このシリーズでは、 認知症とはどのような病気なのかを、一緒に考えてきました。 認知症は、「物忘れ」だけの病気ではありません。 原因となる病気によって症状も違います。 毎日少しずつ悪くなるわけでもありません。 MRIだけでは分からない変化もあります。 では、 これらを知った私たちは、 介護で何を大切にすればよいのでしょうか。 私は、 その答えは、とてもシンプルだと思っています。 相手を理解しようとすること。 それだけです。 もちろん、 現実の介護は簡単ではありません。 何度説明しても伝わらない日があります。 怒られる日もあります。 疲れてしまう日もあります。 だから、 「理解しよう。」 という言葉だけでは、介護はできません。 でも、 認知症について知る前と、 知った後では、 同じ出来事でも見え方が変わります。 「また同じことを聞かれた。」 ではなく、 「覚えることが難しくなっているんだ。」 「急に怒り出した。」 ではなく、 「何か不安があったのかもしれない。」 「今日は何もできなかった。」 ではなく、 「今日は調子が悪い日なのかもしれない。」 少しだけ、 見方が変わります。 介護技術とは、 その「見方」があって初めて意味を持つものだと私は思います。 例えば、 否定しない。 安心してもらう。 ゆっくり話す。 目を見て話す。 どれも大切なことです。 でも、 なぜそれが大切なのかを知らなければ、 ただ「そうするもの」と覚えるだけになってしまいます。 認知症を知ることで、 その一つひとつに意味が生まれます。 介護は、 相手を変えることではありません。 自分の見方を少し変えることなのかもしれません。 認知症の方は、 昨日までと同じ世界を見ているわけではありません。 だから、 介護する私たちも、 昨日までと同じ見方だけでは、 寄り添うことは難しいのです。 私は、 介護で一番大切なのは、 「正解」を探すことではないと思っています。 その人は今、 何を感じているのだろう。 何が不安なのだろう。 何を伝えようとしているのだろう。 そのことを考え続ける姿勢こそが、 介護なのではないでしょうか。 認知症は、 多くのことを少しずつ変えていきます。 でも、 その人らしさまで、 すべてなくなってしまうわけではありません。 笑顔があります。 好きな音楽があります。 安心できる場所があります。 大切な家族への思いがあります。 それらは、 病気だけを見ていては気付きません。 その人を見ていて初めて見えてきます。 今回お伝えしたかったこと 介護の技術は、とても大切です。 しかし、 その技術が本当の意味を持つのは、 認知症という病気を知り、 その人を知ろうとしたときです。 だから私は、 介護の第一歩は、 技術ではなく、 「知ろうとすること」 だと思っています。 このシリーズはここで終わります。 でも、 認知症を知ることに終わりはありません。 一人ひとり違うからこそ、 私たちは、 これからもその人のことを知り続けていくのだと思います。 最後に 介護は、一人で頑張るものではありません。 相手を知ろうとすること。 そして、ときには自分自身の心も大切にすること。 それも、介護の一つだと私は思います。 関連記事 「頑張らない介護」とは、具体的にどういうこと? 世界から学ぶ #016:イギリス 「社会的処方」 世界から学ぶ #005:フランス 「ユマニチュード」