1. どこに相談する?(最初の窓口)
まずは専門家に頼ることが、介護を長期化・深刻化させない最大のポイントです。
地域包括支援センター(最優先)
各市区町村に設置されている「高齢者のよろず相談所」です。実質的なケアマネジャーの紹介や、介護保険の手続きはすべてここから始まります。
親の住民票がある地域のセンターに連絡します(遠方に住んでいる場合は、親の地元のセンターへ)。
かかりつけ医
昔から親の持病などを診てくれている医師がいれば、まずはそこに相談して専門医への紹介状を書いてもらうのがスムーズです。
認知症の人と家族の会(民間・公益社団法人)
同じ悩みを抱える家族が集まるコミュニティです。「同じ立場だからこそ分かる」アドバイスや、精神的な支えを得られます。
2. 病院のどの科を受診する?
認知症の診断は専門性が高いため、適切な診療科を選ぶ必要があります。
精神科 / 心療内科
脳の病気としての認知症や、それに伴う「イライラ」「妄想」「徘徊」などの行動・心理症状(BPSD)を専門的に診てくれます。
脳神経内科 / 脳神経外科
アルツハイマー型だけでなく、脳梗塞などが原因の「血管性認知症」や「レビー小体型認知症」など、身体的な神経症状が伴う場合に強みがあります。
もの忘れ外来(専門外来)
総合病院や専門クリニックに設置されている、認知症に特化した外来です。迷ったらここを探すのが確実です。
精神保健福祉センター(受診に拒絶がある場合)
「自分は病気じゃない!」と受診を拒む親御さんの場合、いきなり病院へ連れて行くのは困難です。その場合は、こういった公的機関で「受診を促すアプローチ方法」を相談できます。
3. 政府や公的な援助(資金・サポート)はある?
経済的・体力的な負担を減らすための公的制度は、必ず申請すべきです。
介護保険制度(サービスの給付)
申請して「要介護認定」を受けると、デイサービス、ショートステイ、訪問介護、福祉用具のレンタルなどを原則1〜3割の自己負担で利用できるようになります。
高額介護サービス費の支給
1ヶ月に支払った介護保険の自己負担額が、世帯の所得に応じた上限額(例:一般世帯で44,400円など)を超えた場合、超えた分が後から払い戻されます。
医療費控除 / 障害者控除
認知症の診断や要介護認定のランクによっては、所得税や住民税の「障害者控除」の対象になり、税金の負担が軽くなるケースがあります。
成年後見制度(財産管理のサポート)
判断能力が低下した親に代わり、預貯金の管理や施設の入所契約などを法的にサポートする人を立てる制度です。悪質な詐欺被害などから親の財産を守ることができます。
4. その他の実践的なアドバイス
大勢の経験者の声から導き出したアドバイスです。
「1人で抱え込まない・自分で介護しない」を鉄則にする
家族だけで面倒を見ようとすると、高い確率で共倒れ(介護うつや離職)します。「介護はプロに任せ、家族は愛を注ぐ役割に徹する」のが長続きのコツです。
親のプライドを傷つけない
「さっきも言ったでしょ!」「どうして忘れるの?」は禁句です。本人が一番不安で戸惑っています。否定せず、話を合わせる心の余裕が(難しいですが)大切になります。
元気なうちに「お金と通帳」の確認を(超重要)
認知症が進行して意思疎通ができなくなると、親名義の銀行口座が凍結され、介護費用を親の口座から下ろせなくなるトラブルが多発します。早めの対策(家族信託や代理人カードの作成など)が推奨されます。
自分の人生(仕事や家庭)を犠牲にしない
介護のために仕事を辞める「介護離職」は、経済的な破綻を招きかねません。仕事と介護を両立させるために、職場にも早めに相談し、使える制度(介護休業など)をリサーチしておきましょう。