コンテンツへスキップ
総患者数:5,500万人(推定)
  • 🌱01:認知症は「物忘れ」の病気だと思っていませんか?

    認知症ケア 介護 物忘れ
    1
    1
    0 投票
    1 投稿
    9 閲覧数
    A
    認知症は「物忘れ」の病気だと思っていませんか? 認知症を知るシリーズ 認知症を知る ― はじめに|介護の前に 第1回:認知症は「物忘れ」の病気だと思っていませんか? 認知症と聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのは「物忘れ」ではないでしょうか。 鍵をどこに置いたか忘れる。 同じことを何度も聞く。 約束を忘れてしまう。 確かに、それは認知症でよく見られる症状です。 だから、 「認知症は物忘れの病気。」 そう説明されることも少なくありません。 でも、本当にそうなのでしょうか。 少し考えてみてください。 認知症の方が、 「財布を盗まれた。」 と言います。 家族は財布を見つけて、 「ほら、ここにあるよ。」 と見せます。 それでも本人は納得しません。 「誰かが戻したんだ。」 と言うことさえあります。 もし認知症が「物忘れ」だけの病気なら、 財布が見つかった瞬間に安心するはずです。 それでも不安が消えないのは、なぜでしょう。 ある方は、 「今日は病院へ行きますよ。」 と言われても支度を始めません。 一方で、 「今日はお出かけですね。一緒に準備しましょう。」 と声をかけると、自然に動き始めることがあります。 これは耳が悪くなったのでしょうか。 記憶がなくなったのでしょうか。 それとも、別の何かが起きているのでしょうか。 認知症では、「覚える力」だけでなく、 考える力 判断する力 順番を考える力 状況を理解する力 そして、目の前で起きていることを意味づける力も、少しずつ変化していきます。 これらをまとめて「認知機能」と呼びます。 つまり認知症とは、「記憶」だけではなく、「認知」という働き全体が変化していく病気なのです。 だから、 「何度説明しても分かってくれない。」 のではありません。 説明だけでは届かない理由があるのです。 だから、 「頑固になった。」 のでもありません。 今までとは少し違う形で、世界を理解するようになっているのです。 私は、介護を始めた頃、 「もっと分かりやすく説明すれば伝わる。」 そう考えていました。 でも、認知症について知るほど、 説明の仕方よりも先に、 相手がどのように世界を見ているのかを知ることが大切なのだと感じるようになりました。 介護の難しさは、 相手が変わったことではありません。 自分が今までと同じ見方をしてしまうことなのかもしれません。 だから私は、 認知症を「物忘れ」の病気だとは考えていません。 もちろん、物忘れはあります。 しかし、それは認知症という病気の一部でしかありません。 認知症とは、 世界を理解する力が少しずつ変化していく病気。 私は、そのように考えています。 今回お伝えしたかったこと 認知症は「物忘れ」の病気ではありません。 物忘れを含めた、「認知する力」が少しずつ変化していく病気です。 このことを知るだけで、 「どうして伝わらないのだろう。」 という疑問が、 「だから伝わりにくかったのか。」 という理解へ、少し変わるかもしれません。 次回は、 「02:認知症にも「性格」があります 」 について、一緒に考えていきます。 関連記事 世界から学ぶ #017:誤解 ― ブルース・ウィリスの教訓 医師が語る|認知症は『脳の病気』ではありません