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動画では、処方薬だけでなく、日常的に使われている市販薬や薬の組み合わせが、「薬物誘発性の記憶障害」の大きな原因になり得ると警告しています。
1. 市販薬(OTC薬)が脳に与える影響
市販薬は処方箋なしで購入できるため「安全で穏やか」だと思われがちですが、記憶力にとっては深刻なリスクを伴う場合があります。
- 抗コリン作用の危険性: 代表的な市販薬であるジフェンヒドラミン(商品名:ベナドリルなど、睡眠補助薬やアレルギー薬、風邪薬に含まれる)は、脳内の重要な化学物質であるアセチルコリンをブロックします。
- 記憶形成の阻害: アセチルコリンは新しい記憶を定着させ、注意力を維持するためのメッセンジャーです。これをブロックされると、特に高齢者の脳では記憶を司る海馬が大きなダメージを受け、霧の中にいるような状態(ブレインフォグ)を引き起こします。
- 認知症リスクの大幅な上昇: 定期的にこれらの抗コリン薬を使用する高齢者は、使用しない人に比べて認知症の発症リスクが54%高まるという研究結果が出ています。
2. 複数の薬の併用(ポリファーマシー)の影響
資料の中で最も危険な要因として挙げられているのが、「抗コリン薬のポリファーマシー(多剤併用)」です。
- 抗コリン負荷の蓄積: 1つ1つの薬の影響は小さくても、複数の薬を同時に飲むことで、脳への負担(抗コリン負荷)が合算され、急速に高まります。
- 例:夜の睡眠のためにジフェンヒドラミン、膀胱管理のためにオキシブチニン、神経痛のためにアミトリプチリンを併用するようなケースです。
- リスクの倍増: 抗コリン負荷が最も高い高齢者は、認知症のリスクが120%増加(2倍以上)すると報告されています。
- アルツハイマー病への酷似: アセチルコリンが複数の方向からブロックされると、神経細胞が使われなくなって弱まり、脳の接続が縮小します。その結果、認知機能テストではアルツハイマー病と見分けがつかない状態に見えることがあります。
3. 脳を守るための対策
幸いなことに、薬による認知機能の低下は、早期に発見して原因を取り除けば回復可能(リバーシブル)な場合が多いとされています。
- 処方箋の見直し(メディケーション・レビュー): 医師や薬剤師に相談し、服用しているすべての薬(市販薬、サプリメント含む)をチェックしてもらうことが推奨されます。
- 安易な自己中断は避ける: 一部の薬(特にベンゾジアゼピン系など)を急に止めると、離脱症状などの危険を伴うため、必ず専門家の指導のもとで徐々に減らすようにしてください。
「市販薬だから安全」「医師の処方だから大丈夫」と過信せず、記憶力に不安を感じた場合は薬の影響を疑い、専門家に相談することが脳の健康を守る鍵となります。
OTC医薬品とは、医師の処方箋がなくても、薬局やドラッグストアなどで直接購入できる「市販薬」や「大衆薬」のことです。OTCは「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略で、薬のカウンター越しに販売される形態に由来しています。重要なアドバイス:
これらの薬を服用していて記憶力に不安を感じたとしても、自分の判断で急に服用を中止しないでください,。必ず医師や薬剤師に相談し、「処方箋の見直し(メディケーション・レビュー)」を依頼して、より脳に優しい代替薬を検討することが推奨されています,。早期に発見して原因となる薬を減らすことができれば、認知機能の低下は回復可能な場合が多いとされています。
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